2012年10月6日土曜日

NIHで尾里先生の受賞記念会に参加

今日はNIHで81年からラボを運営されているNICHDの尾里啓子先生の平成24年度の瑞宝中綬章の記念会に参加してきました。
5時過ぎから日本人ポスドクやJSPSの方、その他少数のPIが参加して尾里先生のこれまでの業績の紹介等があった後、尾里先生ご自身による若い研究者達への激励の言葉が巨大な波のように我々に注がれたのでした。尾里先生ご自身は京大卒業後の長い長い研究生活の中で、如何に女性として、そして日本人として研究の上で差別を受けてきたかということを淡々と、実に淡々と噛み締めるようにお話しをしてくださいました。逆にそれがものすごい迫力を醸しだしていました。
研究のみならず、研究の平等な評価を阻む見えない壁、特に人種、言葉、性別の壁がどれほど厚かったのか、そしてそれが未だにこのアメリカで存在していると言う事実を数字を元に話してくださいました。(改善されたにしても!)しかし、最後に先生の話して下さったことは、アメリカにおける研究というのは実績さえ上げ続ければ最後には必ずそれを評価してくれる「比較的」フェアなシステムというものが存在するというお話でした。
今回、尾里先生を初めて拝見しましたが、本当に私の母親と同じくらいの小柄で上品な女性でしたが、その知性と内に秘めたる恐るべき熱さを持った闘志は私にとってスピットファイアと呼ぶのが相応しい方でした。
二部のパネルディスカッションでは、80名以上の日本人研究者達の前に座られたNIHの(尾里先生ご自身を含む)五人のPIの先生方との質疑応答と、考えの披露が行われました。其々、確固とした考えを持たれた方々でした。きちんとターゲットを持ち、取り組むべき目標を持って仕事をされている方々はやはり自分の世界を持たれていますね。
8時頃から、ベセスダのBangkok gardenに移動し、若いポスドクの方々とタイ料理に舌鼓を打ちながら11時過ぎまで本当に時間が過ぎるのを忘れて話に花が咲き続けました。
家に帰り着いたのは夜中の二時過ぎでした。
NIHの金曜会を運営されている方々、またJSPSの方々も本当にお疲れ様でした!そのきちんとした精緻な運営に毎度頭の下がる思いです。
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