2012年6月22日金曜日

アメリカ人学生気質

いつも不思議に思うんですけど、アメリカ人の学生を指導していると「なんでこんなに自信満々なんだろう」と思うことが良くあります。
アメリカでこの国の大学生と遊んだり一緒に話をしたことのある人はよく解ると思うんですけど、殆どの学生がその本人の知的レベルにはほとんど無関係に自分の事に「こちらがげんなりする程」自信を持ってるんですよね。(笑)
これは人種にはほとんど関係ないと思います。重要なのはどれほど長い間、そして小さい頃からこの国で教育を受けてきたか否かだというのが私の周辺の人間の共通見解だと感じています。
例えば、中国から出てきた中国人の学生とかは、自分の履歴書に嘘八百並べ立てて「あれが出来るこれが出来る」と言って書き込んでくるので、その内情を知ってるこっちはよく大笑いすることが多いんですね。例えば、PCRが出来ると書いてきて実際は「しているのを見たことある」とか「聞いたことがある」とか言うのまで出来るという、ほとんど脳内願望の文章化みたいな履歴書を出してくるのも沢山います。(中には本当に出来るのも混じっているから面倒なんです、、、)挙げ句の果てには遠心機を使えますとか、パイペットを使えますとか、、、もうね、なんでそんなしょうもない事まで書かなイカンの?というような、意味不明のことばっかりズラズラと書き込んで来て(つまりそこまで膨らませないと、書く事が無いのだろうと逆に邪推してしまいます)、実際は論文履歴は、聞いたこともない中国の雑誌で一回提出とか。(Pubmedにさえ載ってないマイナーな雑誌で調べようも無い!)おまけにAuthorshipも勝手に順番変えて自分をFirstに持ってきてたりなんて言うのはザラ。(これも「よく」有るんです!)
でも、でもですね、、、彼らの多くはまだどうやら「悪いことやってる」というのは心の片隅には有って、実際は自分の履歴書がハリボテに近いということも比較的自身の心の中では了解済み、と言う感じなんですね。(特にインタビューすると殆どは「やべ〜」という顔を見せてくれます。w)
ところが、アメリカで生まれ、アメリカで教育を受けた人間というのは人種などに関係なく(日本人の親御さんを少なくともどちらかに持つ学生はこの反対が多い、稀な例外事項です)、根拠のない自信の塊であることが多くて、こちらの怒りの沸点を下げることが多いんです。
最初から諄々と質問で切り崩して、その根拠のもとになっている事実や結果を学生本人に思い知らせると、最後には学生自身がその自らの根拠が如何に「根も葉もない」ものだったかということをその場では理解する素振りを見せるんですが、翌日にはもうケロリと綺麗サッパリ忘れて見事に教育的には大失敗。
一体全体どういう教育受けたら君達みたいに自信満々の人間が出来上がるんでしょうか、、、。
おじさんは知りたいですよ。ホンマに、、、。
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2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

いつも楽しく読ませてもらっています。

なるほど、たしかにアメリカ人は根拠のない自信がありますね。

ただ、それは日本人からすると違和感を感じるだけで、本人の人生にとっては無駄な自信というのは絶対に手放すべきでない武器だと思うのです。

日本人は自信にも根拠を求めるがあまり、本当はやってみればできるかもしれないことへの挑戦がなかなかできず、
自分の可能性を狭めてしまっている気がします。私自身もそうでした。

中国人にしてもアメリカ人にしても、自信があるからこそ最初の一歩を容易に踏み出せますし、
それが他人から見て全く論外で相手にされなくても自分ができる最大の努力はできているのですから全く反省する必要はないのです。

徒然草で吉田兼好も言っているように、やりたいことがあるときに、必要な予備知識を勉強してからやろうと思っていると
あっという間に歳をとって何もできずに人生を終えてしまう。

できないことでも自分はできると思って手を挙げれば、最初はできずに恥をかくかもしれないが
自分の成長という観点から見ればそれが最善の一手となる。

日本人からすれば、嘘をついたりできることを偽装するのは許されないことですが、個人というものに重きをおけば
無駄な自信を持って可能性があるものにどんどん挑戦していくことが一番の成功の秘訣なのではないでしょうか。

small G さんのコメント...

そうですね。「自信を持って」というのは挑戦には非常に大事で、出来ればそこに根拠があってくれると良いなというのはそういう学生を選択する側の「我々の都合」に基づいた意見ですね。
匿名さんのおっしゃる通りで、残念ながら実際には、日本人でアメリカに来るのは学生ではなくてポスドクかDr.クラスの人たちばかりで、乾坤一擲という感じで日本から来ました〜!という学生は私の大学では一人しか見た事無いです。しかもその子は高校生の時から自分の夢をかなえる為に来ていました。
私は思うんですけど、当たって砕けろという感じの青年達が日本から(アメリカのみならず)外に飛び出してほしいといつも思っています。
もし彼らにポテンシャルがあるのなら「根拠の無い自信」もやがては実力に裏打ちされた「本物の自信」に変わってくれると思っています。
もしそういうチャレンジをされたいと思う方が居るのなら私もサポートしたいなと心から思うのですが、高校生なんかでアメリカの大学に挑戦したいと思う方がおられたらメールしてもらうと相談に乗れると思います。
話はちょっとそれますけど、英会話も同じで、完璧を求める余り、自分からは一言もしゃべらない人も沢山居ます、、、、。この件に関しては何回かここでも書きましたが。中身のある日本人の方も沢山居るのに、中身が無くておしゃべりな人間に押しのけられている時も多々あるのを見ると実に残念です。