2010年12月29日水曜日

ゲゲゲの女房・2

この休日中にゲゲゲの女房を観終わった。全164話だったかな?
激動の半生というよりも貧乏という名の妖怪との戦いと脱出の記録だと思った。鳥取という田舎と発展する東京を結んだ数十年というスパンをじーっと記録していく中で、水木しげると奥さんが多くの家族との関わり合いを経て成長していく姿を描いている。
日本が豊かになる中、昭和二十年に終了した戦争の記憶が毎年毎年遠くのものとなる時代。その記憶から到底逃げられない水木しげるとそれを献身的に支える嫁さんの姿は今の日本ではちょっと見られないものだろう。時代に煽られ、運命に翻弄されながらもしっかりとした自分の軸を持ってブレる所が少しもない。やはり自分のやりたいことを持っている人間、しかも強烈なものを持っている人間ほど現れいでてはその身を流そうとする大波を巌のごとく撥ね付ける。無論、奥さんの献身的な助けがあったことは言うまでもないのだが、今の時代にあそこまで旦那さんの才能を信じてくれる奥さん、友人、そして信奉者を身のまわりに持つことが出来るのだろうか、、、。
いや出来るんだろうな、あれだけの才能と努力の投下が継続的に行われていれば。しかし、運命の糸を手繰り寄せきるだけの時間を待つだけの忍耐力がどれほどの人に備わっているのか。そういう意味で水木しげるは最初から勝利者だったなと感じました。

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